pCloudとNASを徹底比較 | 6つの観点でコスト・使いやすさなどで比較

買い切りプランの提供で有名なクラウドストレージサービスとしてpCloudがあります。

買い切りプランということで、多くの人が家庭用のNASとの比較することが多いと思います。

そこで今回は、pCloudとNASをさまざまな観点から徹底比較します。

pCloudの特徴

NASとの比較をする前に、pCloudの特徴についておさらいしております。

pCloudはスイスに拠点を置くクラウドストレージサービスで、公式発表による2025年現在で全世界2000万人以上のユーザに利用されており、日本語にも対応しております。

特にセキュリティとプライバシーを重要視しており、プライバシーに配慮したスイスの法律のもと、強度な暗号化方式である AES 256bit によりデータがすべて暗号化されます。

また、pCloudの管理者ですら見ることのできないクライアントサイド暗号化=End -to -End暗号化にも対応しております。

また、料金プランも非常に特徴的で一般的な月額支払いのプランに加えて、買い切りプランも提供されており、少し大きい金額ではありますが一度支払えば、その後99年間は利用可能となります。

そのため、実質的には家庭用のNASと同じように一度だけ初期投資をしてしまえば、その後のサブスク支払いからは逃れることができます。

NASの特徴

NASとは、社内や家庭用のネットワークに接続して利用するファイル管理システムとなります。ネットワークに接続されているため、家庭内のすべてのパソコンから簡単にアクセスできるのはもちろんんこと、ちゃんと設定すれば出先などの外部ネットワークから接続することもできます。

初期投資として、NASのシステムとHDDの費用がかかりますが、その後は一般的なインターネット利用料だけで機器が故障するまで使い続けることができるため、長い目で見ると費用が割安になる傾向があります。

また、データを外部のクラウドサービスに預けずにすべて自身のネットワーク下におけるため、プライバシーの面では最強です。

アクセス速度

pCloudとNASを比較すると、一般にはNASの方がアクセス速度が速いと言えるでしょう。

ただ、NASの場合はHDDの読み書き速度とネットワーク速度に依存します。

例えば、一般的なNAS用のHDDの場合は、読み込み 100~200MB/s、書き込み 100~180 MB/s隣ます。実際には様々な処理が入り、どちらもおよそ 80~150MB/sとなることが想定されます。

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一方で、pCloudのダウンロード速度は実測で80~100MB/S、。アップロード速度は実測で約30MB/となります。

そのため、NASと比較するとアップロードはおよそ半分ぐらいの転送・アクセス速度となります。一方で、ダウンロード速度はNASもpCloudも大きな差異はありません。

使いやすさ

使いやすは利用者のITレベルなどによりますが、基本的にはpCloudの方が便利です。NASは初期設定自体はそこまで難しくないのですが、少し油断すると外部からのアクセスができなくなってしまうことや、なぜか家庭内からでもデータにアクセスできなくなることがあります。

そういった際のトラブルシューティングがかなり厄介なことが多いです。

一方で、pCloudであればWebブラウザや専用アプリから簡単にログインするだけでデータにアクセスすることができるため、かなり便利です。

また、動画のストリーミング再生などがNASでは実現することが難しいですが、pCloudでは簡単にアップロードした動画のストリーミング再生を行えます。

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確かにNASで動画のストリーミング再生ができないこともないのですが、ほとんどの家庭用のNASではあまりコンピュータリソースは強くないため、再エンコードなどの処理が重くなってしまい、あまり良い品質でストリーミング再生できないのが現実です。

また、ファイル共有などもNASではかなり厄介ですが、pCloudでは簡単に行えます。

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信頼性

信頼性は、pCloudの方が圧倒的です。pCloudでは、すべてのデータについて物理的に異なる3つのサーバに分散して保存しているため、仮にサーバやHDDが故障しても問題なくデータを利用することができます。

一方で、NASはHDDが1台故障しただけでデータを利用することが不可能になります。RAIDなどのデータの冗長化を行えばHDDの故障については耐性ができますが、故障時の復旧作業なども非常に煩雑です。

また、NAS自体が壊れてしまった場合は、RADIコントローラが故障してしまった場合は、冗長化しいてはずなのにでデータが使えないということにもなりかねません。

最近の異常気象により雷被害なども想定する必要があります。また停電などの際に、外出先からデータにアクセスできないということも十分考えられます。

とはいえ、すべてのリスクを想定することは現実的には不可能ですので、どこまでのリスクを許容するかというところによっても大きく信頼性の考え方は異なると考えます。

初期費用

pCloudとNASの初期費用を比較してみます。およそ10TBを利用する想定で比較します。

pCloudの場合は、シンプルに約13万円の支払いが必要となります。(ライフタイム/買い切り 10TBプランをセール時に購入したと想定。)

一方で、NASの場合は、HDD 7万、NASシステム 5.0万の合計約12万円程度となります。(RAIDでデータ冗長化想定)。

そのため、初期費用という観点ではNASとpCloudではほぼほぼ差異がありません。

月額費用

pCloudでは、ライフタイム・買い切りプランを購入すれば月額費用は完全無料です。

一方で、NASでは月額ではお金はかかりませんが、一般的に5年に一度はHDDの取り替えをしておく必要があります。

また、メーカのサポートも長くても5年程度ですので、セキュリティ上の観点からどうしても5年程度に1度はHDDとNASのシステムを丸々買い換える必要があります。

また、NASはわずかではありますが電気代もかかります。

セキュリティ・プライバシー

セキュリティ・プライバシーは、利用者・運用者のIT知識などに完全に依存します。

もし適切に設定・運用・監視することができれば、やはり自身のネットワーク下で管理しているNASの方がセキュリティ・プライバシー上有利です。ただ、実際のところ、常にNAS上のセキュリティアラートや通知・システムアップデートを確認してリアルタイムに対処するのは難しいところはあります。

一方でpCloudであれば上記のセキュリティ面の対処はすべて運営元が行なってくれます。

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ただ、データを他人に預けていることは事実ですので、プライバシー上の懸念があるのは事実です。

結論

ここまででpCloudとNASの比較を6つの観点から行いました。結論としては、pCloudの方がNASよりも優位となります。

一方で、NASがいつ壊れるかわからないように、pCloudも急にサービスが停止する可能性もゼロではありません。最終的には、上記の比較を踏まえた上で最適と思われるものを選択していただけると良いと思います。

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