今回は、買い切りプランのあることで有名なクラウドサービス「pCloud」を写真の整理に利用する上での使い勝手・コスパを解説します。
写真整理用クラウドスレージの選択ポイント
特に写真の整理にクラウドストレージを利用する上では、以下のポイントが重要です。
保存容量と利用プラン
最近はスマホで撮影される写真が非常に綺麗になってことで、写真1枚あたりの容量も非常に大きくなっており、約10MBが目安です。
そのため、5GBなどの無料容量であっても、わずか500枚程度の写真で使い切ってしまいます。
また、iPhoneのように単なる写真だけでなく、前後を動画で撮影する機能を利用している場合はさらに利用可能な容量が小さくなってしまいます。
そのため、いかにコスパ良く多くの容量を使えるかという観点が重要になってきます。
写真画質
一部の写真専用クラウドストレージは自動的に写真の画質を落として容量を削減する機能が搭載されております。一見便利に見える機能ですが、せっかく撮影した写真の容量が落ちてしまうのは非常に勿体無いです。
動画対応
多くの人は写真管理と同時に動画についても整理・管理をすることがあると思います。むしろ最近は、大切な思い出は写真ではなく高画質な動画で保存することも当たり前ですよね。
例えば、写真が無制限で有名なAmazon フォトも、動画は5GBまでという制限があります。
アップロードの手軽さ
クラウドストレージ専用のアプリが用意されているかどうかも非常に重要です。そのアプリ自体も、手動でアップロードする必要があるのか、それとも自動でアップロードする機能があるのかということも重要です。
検索・AI機能
これは人によって重要度は大きく異なるところですが、単純に日付順で並んでいればOKと考えるか、AIや撮影場所などを元にした高度な検索機能が必要か否かという点も重要です。
例えば、サービスによっては顔写真から撮影された人物を自動的に検出して、その人物が写る写真だけを自動的に抽出してくる機能が搭載されているものもあります。
一方で、人によってはこういった高度な機能よりかは、自分自身でアップロードする際にフォルダ分けをしておきたいという方もいると思います。そういったフォルダ分け機能が搭載されているか否かも重要になります。
プライバシーとセキュリティ
家族や友人、恋人などとの写真を保存する上では、プライバシー・セキュリティも非常に重要な観点です。
過去には、クラウドサービスが不正アクセスを受けて有名人の写真がネット上に流出してしまった事件もありました。実際にはクラウドサービス自身が不正アクセスを受けてデータが侵害されることはあまり少ないですが、二要素認証に対応しているかなどの、セキュリティレベルも重要です。
また、一部のクラウドストレージサービスには、End-to-End暗号化と呼ばれる非常に高度な暗号化機能が搭載されております。この機能を利用すると、クラウドサービスの管理人であっても、ユーザがアップロードした写真や動画を見ることができません。
特に、恋人や家族などのプライベートな写真や動画をアップロードする上では重要な機能です。
動画のストリーミング再生
ほとんどのクラウドストレージサービスは、オンライン上での写真閲覧に対応しておりますが、一部のサービスはオンライン上での動画のストリーミング再生に対応していないサービスや、かなり再生が遅いサービスがあります。
そのため、スムーズにオンライン上でYouTubeのように再生できるか否かも重要になってきます。
共有時のセキュリティ機能
多くの人は写真や動画を自分自身だけで楽しむのだけでなく、友人などと共有することが多いと思います。
そういった際に、サービスによってはリンクだけで手軽に共有できる一方でセキュリティを担保しようとすると、アカウント認証が必要であるなどの要件があると不便です。
簡単にパスワード+リンクで共有できるかという点も重要です。
アップロード・ダウンロードの性能
アップロードやダウンロードに、問題がないレベルで通信速度・転送速度が出るかという点も重要な観点です。いくらコスパが良くても、アップロードやダウンロードに時間がかかりすぎては使い勝手が悪すぎます。
pCloudにおける各機能の評価
上記で述べた写真管理用のクラウドストレージの選択ポイントを元にpCloudを評価してみます。
保存容量と利用プラン
保存容量と利用プランは、他のクラウドサービスを圧倒するコスパの良さです。
pCloudは、買い切りプランを提供しているため、他のサービスのようにずっと料金を支払い続ける必要はなく、一度でも料金を支払ってしまえば、99年間はサービスを利用し続けることができます。
利用する容量やプランにもよりますが、およそ3年以上利用するのであれば、買い切りプランの元が取れる計算となります。
pCloudの買い切りプランがお得?何年で元が取れるか?比較してみた
写真画質
pCloudでは、すべての写真について自動的に画質を落とすようなことはせず、高画質を維持したオリジナル画質のままファイルをアップロードできます。
動画対応
pCloudでは、もちろん動画のアップロードにも対応しております。対応する動画ファイル形式としても、スマホやカメラなどで撮影されるすべての動画形式に対応しております。
アップロードの手軽さ
pCloudは、スマホアプリが非常に良くできていて、とっても簡単にアップロードできます。特に、自動アップロード機能を利用すると、定期的にスマホ内部の写真や動画を自動的にスキャンして、Wi-Fi接続時に自動的にクラウドにアップロードしてくれます。
もちろん、フォルダ分けなどを自分自身でやりたい方は、スマホやパソコンを用いて、フォルダを作成した上で各種データをアップロードすることもできます。
検索・AI機能
残念ながら、pCloudには高機能な検索・AI機能は搭載されておりません。これは、pCloudが写真や動画専用のクラウドストレージではなく、より汎用的なサービスであることに起因しています。
あくまでも、写真や動画をちゃんと管理したいのであれば、手動でフォルダを作成して自分自身で管理する必要があります。
そういった機能を利用したい方は、Googleフォトなどの専用の写真整理・管理サービスをお勧めします。
プライバシーとセキュリティ
pCloudは、ヨーロッパのスイスを拠点においている会社によって運営されているため、プライバシーとセキュリティは非常に高いレベルを保っていると言えるでしょう。
pCloudのセキュリティ・プライバシー上の安全性は以下の記事で詳細を検証ているのでご確認ください。
pCloudの安全性を徹底調査 | データセンターや暗号化方式・パスワード管理も?
特に、pCloudは、End-to-End暗号化にも対応しており、こちらのオプションを利用するとサーバの管理者すら、データの中身を確認することができなくなります。
プライベートな写真や動画の管理には最適です。
動画のストリーミング再生
pCloudは、動画のストリーミング再生に対応しております。また、その機能も無駄なエンコード機能が少ないため、非常に軽量に利用できます。
Googleドライブの場合は、YouTube配信のようなエンコード処理が行われるため、動画をアップロードしてから実際に再生可能になるまでにはかなり時間がかかります。一方で、pCloudではアップロードしたほぼその場から、すぐに動画のストリーミング再生が可能です。
実際に以下の記事では、動画のストーリミング再生のための検証のリンクを紹介しているので、実際に試して検証する際にはぜひご活用ください。
pCloudは動画再生できない・遅い?ストリーミング再生はできるのか?検証
共有時のセキュリティ機能
pCloudにはパスワードベースのファイル共有機能が搭載されております。単純なリンク共有ももちろんあるのですが、それに加えて事前に指定したパスワードを入力しないと写真や動画を見ることができなくなります。
複数人のグループで写真や動画を共有する上では非常に便利な機能です。
また、動画や写真のダウンロードを禁止する機能も搭載されている点も良いポイントです。
アップロード・ダウンロードの性能
pCloudは、他のサービスと同じか、少し遅い程度の通信速度で写真や動画をアップロードできます。
実際に私はpCloudを普段から利用していますが、実際にアップロードやダウンロードの速度を問題に感じたことはありません。
実際に写真を20枚アップロードした際に画面録画を以下に示しておりますが、本当にすぐにアップロードが終わっていることが確認できると思います。
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