今回はVPN接続時に、通信速度が遅い時に確認すべきポイントについて説明します。
結論
まずは、以下の項目について確認してください。
- 非VPN利用時の通信速度:VPNに接続しない状態で通信速度を確認してみてください。
- ネットワーク:ネットワークによってはVPN接続状態で通信ができないことがあります。また、フリーWi-FIなどでは一度VPN接続状態を切断した状態で、利用規約などに同時して初めて利用可になることがあります。
- VPNサービス:利用しているVPNサービスの評判や通信速度を確認してみてください。
- VPNサーバ(国・地域):接続しているVPNサーバを変更してみてください。一般的に、接続場所から近いサーバであればあるほど通信速度が速くなる傾向があります。(日本からの接続であれば、日本・韓国・香港など)
- プロトコル:OpenVPN以外のプロコトルを用いてVPNに接続してみてください。
非VPN利用時の通信速度
まずは、VPNを切断した上で通信速度を計測してください。
自宅のインターネットやモバイルネットワークであっても、周辺ユーザーのインターネットの利用状況によって通信速度が大きく低下する恐れがあります。
特に、カフェなどの無料Wi-Fiを利用している場合は、そもそもの回線が混雑していて通信速度が遅いことがあります。
ネットワーク
接続しているWi-Fiによっては、そもそもVPN通信を拒否するようになっているアクセスポイントもあります。
また、スタバなどの大手カフェでは、利用者への利用規約の同意やユーザの会員登録をするために一度、専用の認証画面において認証処理を行う必要があります。
この認証処理は、インターネットのローカル環境下において行う必要があるため、VPN利用時はうまく認証処理を行えないことがあります。
そのため、まずはVPNを切断した上でインターネット通信の利用可否や通信速度を計測してみてください。
VPNサービス
そもそも利用しているVPNサービスがあまり回線速度が速いVPNを提供していない可能性があります。
当サイトでは24時間様々なVPNサービスの通信速度を計測しておりますが、やはりサービスによって通信速度は大きく異なります。
有料サービスですら大きく通信速度に違いがあるため、無料のVPNサービスを利用している場合はその差異がさらに顕著に現れます。
当サイトの速度測定ダッシュボードなどを参考にしながら、自身が利用しているVPNサービスが高速なインターネット回線を提供しているか確認してください。
速度測定ダッシュボード:VPN Speed Dashboard
また、実際に当サイトで計測対象としているVPNサービスについて計測した結果については以下の記事でまとめているので参考にしてください。
通信速度の速いVPNはNordVPNかExpressVPNだった。実測データから紹介。【2025年5月版】
VPNサーバ
同じVPNサービスを利用していても、どの国や地域のVPNサーバを利用しているかによって通信速度は大きく異なります。
例えば、NordVPNというVPNサービスを日本から利用している場合においても、接続先のサーバによって通信速度は大きく異なります。
例えば日本から日本のVPNサーバに接続している場合は、約800Mbps とかなり速い通信速度なっております。
一方で、日本から地理的に離れたスウェーデンのVPNサーバに接続している場合は、約50Mbpsと通常のインターネットブラウジングの利用では大きな問題はないですが、高画質動画のストリーミングなどでは少し心許ない通信速度に低下してしまっております。
NordVPNの各国VPNサーバにおける通信速度測定結果(2025年5月)
国 | 平均速度 (Mbps) |
---|---|
日本 | 796.7 |
韓国 | 235.7 |
台湾 | 200.7 |
インド | 167.4 |
香港 | 154.9 |
シンガポール | 146.6 |
カナダ | 124.1 |
アメリカ | 103.4 |
オーストラリア | 92.7 |
アラブ首長国連邦 | 84.0 |
スペイン | 66.9 |
イタリア | 57.3 |
イギリス | 56.1 |
フランス | 54.2 |
ドイツ | 53.6 |
スウェーデン | 52.4 |
オランダ | 49.9 |
ブラジル | 48.3 |
スイス | 41.0 |
ロシア | NordVPN非提供 |
【2025年5月 】NordVPNの通信速度を20カ国のサーバ計測 | アジア圏のサーバが爆速
そのため、現在利用しているVPNサーバの通信速度が想定より著しく低い場合などは、他の地域のVPNサーバに接続してみるなど、他のVPNサーバの利用を試してみてください。
プロトコル
VPNの接続方式には、様々な種別があります。
- OpenVPN
- IKEv2
- PPTP
- WireGuard
ほとんどのVPNサービスでは、OpenVPNもしくはWireGuardが主要な接続方式として採用されております。
基本的には、OpenVPNもしくはWireGuardを利用していれば大きなトラブルなどはないですが、ごく稀に利用しているサービスとの相性が悪く通信がうまく行えないことがあります。
OpenVPNは古くからある接続方式であるため、ソフトウェアにバグなどが発生することがあります。特にRaspberry Pi などのエッジデバイスなどで利用する際に、問題が発生するケースがあります。
NetgearのNASが外部アクセス不可に|Raspberry PiとWireGuardでVPN構築して解決した話
一方で、WireGuardは、ここ数年で普及してきた方式のため、これらの問題が発生することは少ないです。
多くのサービスでは、専用のアプリで簡単に利用するプロトコルを選択できるため、プロトコルを変更した上で通信速度を改めて確認してください。
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