VPNの固定IPアドレスオプションはおすすめできず、不要 | 料金も比較

今回は、VPNサービスの固定IPアドレスオプションのメリットやデメリットについて解説します。

結論

  • VPNサービスの固定IPアドレスは、利便性の向上が目的
  • プライバシー保護の観点ではむしろデメリットの方が多い
  • ほとんどの人には固定IPアドレスオプションは不要
  • 開発者がアクセス制御に用いることは可能

固定IPアドレスオプションとは?

固定IPアドレスオプションは、VPNサービスにおいて提供されているサービスであり、固定IPアドレスオプションを利用すると、すべての通信が同じIPアドレスから行われるようになります。

また、そのIPアドレスは、他の人とは共有されず、あなたのみが利用可能なIPアドレスとなります。

固定IPアドレスオプションの料金は?

VPNサービスによって異なりますが、およそ1,000円/月 となります。

Surfshakだけは他のサービスと比較してかなり安く利用することができます。

代表的なVPNサービスにおける固定IPアドレスオプションの料金

  • ExpressVPM: 8.99ドル
  • NordVPN: 5.89ドル~8.99ドル
  • Surfshark: 3.75ドル

固定IPアドレスのメリット

VPNブロック機能の影響を受けづらい

一部のインターネットサービスでは、VPNからの通信をブロックする機能が搭載されております。

こういったサービスでは、事前にVPNプロバイダが利用しているIPアドレスを収集しておいて、そのIPアドレスからの通信を検知してサービスをブロックする仕組みを採用していることが多いです。

しかし、固定IPアドレスはあなた専用のIPアドレスが付与されるようになるため、その検知に引っ掛かる可能性が低くなります。

他ユーザの影響を受けにくい

過去のVPNを利用して、Webサイトに悪意のある投稿などの利用規約に反することを行ったユーザが過去にいる場合は、自動的にそのIPアドレスからの通信をブロックしたり、会員登録を無効化するようなことを行っているサービスがあります。

固定IPアドレスを利用している場合はそういった心配はありません。

アクセス制御の利用可

あなたがWebサービスの開発などを行っているときに、アクセス制御の手段としてIPアドレスベースのアクセス制御を導入することが想定されます。

そういった際に、通常VPNを利用していると接続するたびに異なったIPアドレスになってしまうことや、多くの他の人が利用するかもしれないIPアドレスを利用することになってしまうため、IPアドレスベースのアクセス制御は利用することができません。

一方で、固定IPアドレスオプションを利用すれば常にあなた専用のIPアドレスから通信を行うようになるため、IPアドレスベースのアクセス制御を行うことが可能です。

金融系サービスの利用が可能

証券や銀行系のサービスを利用している場合は、通常VPNを利用していると、IPアドレスがコロコロ変化してしまったり、複数のユーザが同じIPアドレスから通信を行うため、不審なアクティビティとして検知されてしまい、アカウントがロックされてしまうことがあります。

固定IPアドレスを利用すれば、そういった心配をする必要がなくなります。

固定IPアドレスオプションの必要性

上記で固定IPアドレスオプションを利用すれば、どんなメリットがあるのかということを述べましたが、結論としては多くのユーザにとって固定IPアドレスオプションは不要です。

その理由として、実は固定IPアドレスオプションは確かに上記で述べたような利便性向上につながるのですが、一方でプライバシーを犠牲にしてしまうということがあります。

固定IPアドレスオプションのデメリット:プライバシーが大幅に犠牲になる

本来VPNを利用している時の大きなメリットとして、自身のIPアドレスを隠蔽し、他の人と共有するIPアドレスを変更させながら利用できるという点が挙げられます。

IPアドレスが変化することによって、さまざまなWebサイトを利用していても、どのユーザがアクセスしてきたのかということを検知することを難しくすることができます。

一方で、固定IPアドレスオプションを利用してしまうと、あなたとIPアドレスの情報が常に1対1で紐づいてしまうため、結果としてプライバシーが大幅に低下してしまうということになります。

コメント